



誕生日、近かったっけ?
「これ、食べて」
フォークに刺したお肉を、突き出す、彼女。
—これも?!
「うん」
—食べられないなら、頼まなきゃいいのに
「いいの、目で食欲を満たすんだから。
女のコからのプレゼントはね、素直に受け取って!」
—で、ダイエット…ですか。
彼女がボクを呼び出すのは、
ほぼ99%、カレとの悩みをぶちまけたい時。
「だってさ、痩せてるコが好きなんだって言うんだもん」
—だからってボクの皿に、どんどん引っ越してくるってのは…
「よく食べて、よく育つ!男は強くならないと、ね」
語尾を弾ませながら、軽くウィンク。
まったく…無防備だ。
—キミは、どうなの?
「…ん?何が」
—痩せてるやつと、がっしりしたやつ、どっちが…
「100%、痩せてるほう」
—言い切るね。
「好みは、好みだからねー。そう簡単には変わらないよ」
思わず、苦笑しちゃうレス。
皿に移されたお肉を眺めながら…
—プレゼントをもらえばもらうほど、遠のいてゆく…か。
「…ん?プレゼント??誕生日、近かったっけ?」
photo・nishida shuhei
text・suzuki sachihiro
stylist・kawahara ayumi
hair make・takamatsu miki
update・2021.4.15
こいずみ・はるか
1月9日生まれ
https://www.instagram.com/koiharu_official/